愛想笑いの代償

内容的に笑顔の心理テスト♪解説の続きです。

　
　顔の右側（左脳）は自分の感情とは違った表情を作れます。
それでは、私たちが現代生活で最も頻繁に使う、この種の表情とは？

代表的なもののひとつは、「愛想笑い」ではないでしょうか。

少しタイプは違いますが、「照れ笑い」というものもありますね。これも意図的に笑うという面では共通しています。
顔の左半分は感情に嘘をつくのは苦手です。てことで、愛想笑いをする時は、顔の右側がメインに働きます。逆に言うと、あなたがどんなに心から微笑んでるつもりでも、顔の右側がメインで笑顔を作っているということは、それは感情に反しているということです。楽しんでいるつもりでも、顔の右側の主導で笑っているということは、それは作られた笑顔。残念ながら、真に心からエンジョイしているわけではなさそうです。

愛想笑いの場合は、感情（右脳）と理性（左脳）に開きがあります。そのため、顔左半分（右脳）と顔右半分（左脳）の表情に開きが出てきます。これを私たちは一般にぎこちない笑顔、複雑な表情と言ったりもします。
表情が左右でずれるということは、顔の筋肉がアンバランスに動くということでもあります。

一口に愛想笑いといっても、程度がありますよね。
では、ここで
３種類の愛想笑いを用意して見ましょう。

そこまでおもしろくないけど笑う、愛想笑い
全然おもしろくないけど笑う、愛想笑い
イライラしているのに笑う、愛想笑い

1番目はそうでもないでしょうが、2番目とか3番目のケースでは、あなたは無理をして顔の右側を動かしています。それが毎日、しかも長時間絶え間なく続くと、顔の筋肉のスムーズな連動が崩れてきます。当たり前のように左右一帯で動かしていた筋肉のバランスがおかしくなってきます。さらには、顔の目、鼻、口、眉と言ったパーツに不釣合いが起きて、外見に変化が起こるかもしれません。そうして、理性の命令で酷使した顔の右半分に、局所的な筋肉の凝り、異常収縮が生まれます。そして、あなたの表情はますますぎこちないものになります。

顔の筋肉の機能不全は下顎を含めた頭蓋骨に、不本意な圧迫を常時作り出すでしょう。その影響で、顎、頭蓋骨にちょっとした歪みが生じてしまい、それを覆っている筋肉はさらにスムーズな動きが妨げられてしまう。こうして、悪循環が始まってしまいます。

笑う時の表情というのは、シンプルに表現すると口元を「上部後方」に引き上げるように動かしますね。
鏡で見ても解るとおり、ニコッとして、口元が引っ張られます。この「上部後方」という力の加わる方向は、まさしく顎関節症の方が一般に顎が歪む方向と一致しています。相当無理した愛想笑いは顔の右半分に上部後方への力を与え続けます。心から笑っていれば、顔の左半分も働き、左右対称の動きになるので問題ない（力が左右に分散される）ですが、愛想笑いに限っては、この「上部後方」への力が顔の右側ばかりに常時かかってくるのです。こうして、顔、頭部全体にアンバランスが生じ、顎の歪みをますます悪い方向へ促進させる結果になります。あるいは、顎の歪みを生み出す一因になるのかもしれません。


長くなりましたが、もしかしたら顎関節症の方は、日頃から愛想笑いが多過ぎてはいませんか。ちょっと振り返ってみるのもよいかと思います。

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