睡眠時って意識がありません。夢を見ているにしても、少なくとも混濁としていて、覚醒時の秩序立った意識とはまるで違います。
皮肉なもんです。意識って、「自分はどんな病気になったのかな?」とか、「どうすれば治るかな?」とか健康状態に関してあれこれ考えて、色んなアイディアを出すことだってできるのに、実際、寝るのが最善の策ってことは、結局、「意識よ、おまえの存在が一番邪魔だ…!治すからちょっとどいてろ!」ということですか(笑)。
じゃあ、寝ても一向に戻らない身体の不調は、どう説明できるんでしょうか?
うつ病や、顎関節症は寝ても治ることはないですよね。下手すると、翌朝余計酷くなっていたりもします。
こうした現象は、意識が抜け切れていない、意識が無意識の領域にまで浸食してしまっているとういうことなんだと思います。ですから、自然により近い存在である子供はこういうことは起きにくいでしょう。
覚醒時の意識が(悪い意味で)強過ぎて、無意識レベルまでその影響力を強めてしまっている。結果的に眠って、いざ無意識モードに入ろうとしても、すんなり好ましい切替に入ってくれない。
こうした段階にまで来ている場合は、仕方ないので、起きている最中にでも、意識と無意識の望ましい住み分けが戻るように調整してあげなければならなくなるでしょう。
生きる上で、特に人間として生活していく上で、強い意識は必要だと思います。それは強みにだってなります。ですから、意識が意識の役割の中で、大きな力を振るう分は何ら問題はありません。
私が厄介だと思うのが、意識が意識の活動範囲を大きく凌駕して、「無意識の活動エリア」にまで首を突っ込む、そして、無意識の力がいかなる時も麻痺してしまう程完全にそのテリトリーを制圧してしまうことです。
こうして、意識の影響力が大きく残存したまま、睡眠に入り、「勝手な真似はすんなよ…」となぜか睡眠中まで、でしゃばっている意識の影響力が、無意識の本来的な活動を阻むことにもなる。
睡眠中は、無意識のおかげで、身体のコンディションをあれこれ整えてもらえるはずだったのですが、皮肉にも前日と同様、ほとんど変わらない疲れ切ったコンディションで、淀み切った朝を迎えることになってしまうのです。
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