コーヒーを飲んでると具合が悪くなっていく理由を推察していた→前回…
「どうやら、液体を飲む時でも咀嚼に関する筋に負担がかかっている。」ここまでは話が進みました。
でも、これだけだと、まだ「コーヒーに限って」具合が悪くなっていた謎は解けません。牛乳だって、水だって、ソーダだって液体ですから。
ここで、カギをにぎるのが、私自身コーヒーが大好きだということです。大好きなものを飲むときって、果たしてどのような「飲み方」をするでしょうか?
また、喫茶店やオフィスでコーヒーを飲む時と、炎天下でのスポーツの後に冷たい麦茶を飲むとき時、これらは本当に同じような飲み方になるでしょうか。
ずばり、私がコーヒーを飲むと具合が悪くなっていた誘因はこれ↓です。
「コーヒーは特に味わって飲んでいた。」
好きだからこそ、毎度のように味わって飲んでいたんです。当たり前ですね。しかし、このことから重大なことが判明するのです。
味わうとはどういうことでしょう?解剖学的に表現すると以下のようになると思います。
食物と舌との接触範囲を大きくする
さらに、
食物と舌との接触時間を長くする
そして、前回説明したように、頬筋の働きは「頬を歯列に押し付ける。」
のように食物と舌の接触面積を大きくするには、口内に広がっている流動的なコーヒーを舌の部分に寄せ集めなくてはなりません。この寄せ集める役割を担当するのが頬筋です。
この筋により頬は歯列に押し付けられますが、さらにもう一段階内側に押し付けようとするでしょう。何のため?コーヒーをしっかり舌にあてがうためです。舌は歯列の内側にあるのですから、味わう=食物と舌の接触部分を大きくするために、通常よりも念入りに頬が収縮することになるのです。食物を噛み砕く場合は、とりあえず食物を歯の位置に寄せれば、目的は果たされるのですが、コーヒーを味わって飲もうとする時、頬筋の役割は、液体を歯列上に運ぶというより、もっと内側のエリア=「舌上」に寄せ集めようとする傾向が出てくるはずです。
さらに、味わっていると当然、液体が舌の上に長居することになります。食物と舌の接触時間を長くする=「味わう」ために、頬筋はコーヒーを寄せ集めた状態を、ずっとキープしなくてはいけないのです。味わえば味わう程、普段以上に頬筋の収縮時間が長く続くことになってしまいます。
顎関節症の症状が非常に酷かった当時は、咀嚼筋あるいは、頬筋も含めた咀嚼関連筋が、異常なまでに疲弊、硬化していたものと推察されます。
だからこそ、「食いしばりすぎないように」とか、そういった注意は払っているつもりでした。しかし、コーヒーを「味わって」飲むという自分にとっては安らぎの行為でさえ、上述したように、結果的に咀嚼に関する筋に負担をかけていたのです。限界寸前の緊張状態の筋を、さらに、「縮め、働け」と酷使していた(コーヒーを味わって飲んでいた)ため、もはや、正常に機能しなくなった筋の力は、ついには顎、顔面を歪ませようとする力を生み出し、血管、神経等への圧迫が始まり、「何か体調が悪くなってく…」といった当時の自覚症状に繋がっていたのでしょう。
そうです。カフェインとか、コーヒーの含有成分の関係ではなく、このコーヒーという飲料の「自分の飲み方」が問題を引き起こしていたのでした。
そうわかった途端、連鎖的にいろんな謎が解けるのです。
例えば、「スープ」。スープの時も、どうもコーヒーと同じような感覚になる時が多いなと漠然と思っていました。
このスープに対する、自分の感想も実に合点がいくのです。物にもよりますが、スープはそれ自体に色んな味が何重にも折り重なっていて、さらにそれがおいしいとなれば、自ずと液体の口内での帯同時間は長くなってしまうのです。ですから、頬筋への負担は増える。
このことがはっきりわかったのは、セブンイレブンのじゃがいもポタージュスープを初めて飲んだ時でした。ポタージュっていうとコーンが定番ですよね。しかし今回は、じゃがいものポタージュなのです。
どんな味か気になりますよね。だからこそ、好奇心いっぱいの自分は「こんな味ねー、芋の味はすんのか?」と初めての食感を「味わっていた」のです。ん?「味わう」?
…そう、この時も、例の感覚が引き起こされました。いつも以上にスープを味わって飲んでいたこの瞬間。知らず知らずのうちに頬筋が酷使され、ある一定の許容限度を越えたときに、私の顎歪みセンサーが発動したのでしょう。
おもしろいことに、物を噛むときと同様に、右側の顎関節に問題がある場合は、液体を左サイドへ迂回させるような飲み方、(左側に寄せながら飲む)と負担の程度が全く変わってくるのです。
どちらか一方のサイドが辛いので、逆側で噛むというやり方と同じ原理が、飲む時でも通用するのです。
飲もうが、食べようが、ただでは済まない。いずれのケースでも、我々の顔の筋は与えられた役割をしっかりと、緻密に果たしているんだなと実感させられたのでした。
…じゃ、コーヒーでも飲むか
→さらなる続き(Part2.5)
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