顎関節症の回復途上の場合、愛想笑いはなるべく回避したい表現方法の一つだと思われます。→関連トピック愛想笑い、感情の処理
でも、現実的にそれを完全に排除して生活していけるかというと…なかなか難しい人が多いのではないでしょうか。
周囲の環境を思い返してみてください。周囲の人たちを頭に浮かべてみてください。いわゆる、オトナの事情というものだってあるでしょう。
人間は湧き上がった感情を、表情として顔に表します。これが感情の基本的な処理です。感情を抑えたり、敢えて感情と違った表情を作るという行為はあくまで、応用的なやり方なんだと思います。
確かに、感情と違った表現ができた方が、日頃のコミュニケーションの幅も広がりますし、もともと対立関係にあったもの同士が互いに歩み寄るきっかけにだってなるかもしれません。
ただ、度を過ぎるのはゆくゆく問題になってきます。
度を過ぎてしまった場合、顔の歪み、それから、顎の歪み、そして、頭部以外の体の筋の硬直といったように、私達の体調を大きく揺るがす事態を引き起こすかもしれません。一度、この段階まで来ると、風邪の対処のように単純にはいきません。風邪のように、安静にすれば戻るというものでもありません。つまり、安静な状態が歪んだ状態になっているのです。だから、放っておけば回復云々という話にはなりません。だから症状が長期化する方も実に多いのでしょう。
まず、愛想笑いの際、特に顔の歪みを生み出してしまうような微笑みをしている方は、本来の笑いとは全然違う笑い方をしているんだと思います（「愛想笑い」なんだから、そうなるのも仕方ないと言えますが…）。本物の笑顔とかけ離れた顔の使い方をしているということです。ま、何より自分がそうだったんですが…
この予備軍といえるのは、例えば写真撮影をする時、ぎこちなく笑ってしまう人、撮っている人から、「もっとニコッと笑って」といわれることが多い方ではないかと思います。
じゃあ、どんなふうに笑えばいいのか？それは、テレビや雑誌で活躍している女優、男優、モデル、アナウンサー、そういった方が一番のお手本になります。
彼らはもともと表情豊かな方々がほとんどだと思いますが、それからさらに、どうすれば自然な良い笑顔ができるのかということを、日頃のトレーニングとして取り入れているケースもあるでしょう。
それでは、顎（健康）にやさしい愛想笑いの方法を２通り紹介していきます。微笑み方を変えていくのって単純なようで、意外にすんなりいかないものなんです。人それぞれに条件反射的に作る顔の表情が決まっているので、当初は、ある程度意識して笑顔を作らなけければなりません。あと、鏡の前ではできても、実際のコミュニケーションの場で実践する難しさというのもあると思います。
まず、一つ目は比較的すぐに対応しやすいやり方（俳優・モデル的微笑とは別のもの）です。ただし、これはちょっと前提条件があります。
それは顎関節症の方で、口の開きが悪いのが（顎関節が固まっている）のが、左右どちらか片側だけ（または、片側が極端）であるという条件です。
そういう方は、愛想笑いの時、決まって口の開きがわるい方をメインにして笑っているのではないでしょうか。
このような愛想笑いになっている場合は、それは明らかに自分の首を絞めることになるでしょう。これは自ら自身の顎関節を固めにいっているようなものです。
顎関節が固まっているのとは反対のサイドをメインに微笑みましょう（下図の左側参照）。
これは食べる場面で、「咀嚼が片方のサイドに偏っているので、反対側でも噛むようにしましょう。」というアドバイスと同様の理屈です。
これは比較的すんなり対応できるというメリットがあるんですが、デメリットもあります。このやり方は、長期的にはあまり好ましくないと思われるのです。どうしてかというと、結局メインで微笑んでいるサイドに、あなたが今まで強いてきたのと同類の負担を与えることになるからです。
これが心配な場合は、
左右を均等に使って微笑むというやり方もあります（上図の右側参照）。これだと口元の動きと同じように、力は左右に分散されます。
いずれにしろ、症状がとにかくつらいから、明日からでもすぐに対処したいという方は、このいずれかの方法を試すのは手だと思います。
次回もう一個のやり方を紹介します。次のやり方が、顔の使い方を根本的に変えることになりますし、理想的な笑い方になります。
0 コメント :
コメントを投稿