「ある時装着した仮面が、いつの間にか剥がれなくなる…。」
これは色々な文学や映画等のストーリーで使われる表現ですが、顎関節症の心因的側面を考える際にも、実に的を得た言い回しだなと思います。
間違った緊張具合が習慣化してしまう、間違った噛み方が習慣化してしまう。不自然なバランスが習慣化してしまう…。これらはまさしくあなたの素顔に仮面を被せてしまったに等しい症状です。
で、仮面を付ける「きっかけ」を考えるに、やはり、周囲の人間との関係性で仮面が必要になったというケースがほとんどではないでしょうか。
当然、用が済めば、仮面は外せばいい話ですが、顔にくっついて離れなくなるということは、余程、重厚な仮面を顔に押し付けてしまったか、あまりに長時間仮面を顔に付けすぎていたかのどちらかでしょう。
ですから、癒着した仮面の剥ぎ方というのは、これまでに仮面を必要とした環境を除去していくというのが一つの方法です。あまり聞こえの良いやり方ではないと思いますが「人に会わない」というのも、仮面を剥ぐという目的に特化するのであれば、断然アリな手段でしょう。というか、あまり手段を選んではいられません。それだけ、重症化している方は体調がギリギリのところで持ちこたえているはずですから。
周囲の支えというのは、それだけでありがたいものですが、あなたが周囲とコミュニケーションをとるにあたって、いわゆる「仮面癖」がついてしまっているならば、一旦は、それを誘発する状況を作らない(=会わない)というのも症状を落ち着かせる上で、必要になってくるかもしれません。
事実、私も体調が酷すぎる数年前は、実に歯がゆい思いをしてきました。ところが、どう頑張っても、なかなか長時間会ってられない、接していられない。のんびり共に食事をすることさえ、苦しくなる。どうにか、紛れてセックスぐらいならできる。そんな程度でした。
0 コメント :
コメントを投稿