Blog: 顎関節症素人克服列伝 byのらうさぎ

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2010年8月25日水曜日

8/25/2010
顎関節症ブログ

前回のエピソードで登場した握りこぶしについて解説を進めていきましょう。

「握りこぶし」と「感情」、これらがリンクするというのは、みなさん経験上、なんとなく馴染みがあるでしょう。
1スポーツを観戦していて、「あ、チャンスだ!」と身を乗り出す。そして、手は固く握り締めている。俗に言う「手に汗握る攻防」ですね。
2または、個室に呼び出されて、延々と説教を喰らう。けっこう、頭にくることも言われた。そして、自分の手にはいつの間にか握りこぶし。

このように、何らかの興奮状態になった時、人間、自然と握りこぶしを作ろうとする一面があります。
ですから、握りこぶしって、部位は顔じゃないけども、表情と似たような立場にあると言えるでしょう。

実際、誰かと対面で話してて、相手があからさまに強くこぶしを握り続けていたら、「なんか怒ってる?失礼なこと言ったっけ?」と気になってくることがあるはずです。
人は感情に応じて、表情が変わりますが、より解剖学的な表現を用いると、感情に応じて、顔の筋が収縮するのです。
握りこぶしの場合は、収縮する筋の場所が、顔から指や前腕へと移っただけ。つまり「手先の表情」なんです。
犬であれば、シッポ。うさぎであれば、耳。感情に応じて、体の筋はある一定の反応を示します。それは必ずしも顔の表情に限ったことではないのです。

で、前回私は、カフェで握りこぶしを作ることで、「一層気持ちが安らいだ」と話しましたが、これは、握りこぶしという体の反応で、イライラ感を消化させたということになります。
ま、既に表情に出していたので、ある程度の感情の処理はなされていたはずですが、加えて手を握り締めることで、より入念に、イライラが放出されたようです。
顔の表情を変えて、さらに、こぶしを握る。この時点で、すんなりイライラは収束していきました。気が済んだんでしょう。そうしなければ自分は、最悪カフェにいる間中、苛立った気持ちにとりつかれていたかもしれません。早い段階で、潔く感情を放出させてしまえば、結果的に時間も有効に使うことができるわけです。

もしかしたら、「顔の表情は露骨に変えられない場面が多いけど、握りこぶしならできそうだ」という境遇の方も多いかもしれません。
そうであれば、ぜひとも握りこぶしをオススメしたいところなんですが、一点、注意事項。
普段、癖で、事あるごとに握りこぶしを作っているという方、すなわち、緊張すると反射的に握りこぶしができてしまう方にはちょっと不向きだと思います。
そういう方は、既に握りこぶしに関与する筋がガチガチになっている可能性があるので、その場合、体全体のバランスから見ると、むしろ解してあげた方がよいかもしれません。

ただし、自分の読みでは、最近の社会状況では、握りこぶしをする機会の乏しい方が多いだろうと感じているのです。
1理由のひとつは運動不足
運動しないと握力を使う機会が減少するでしょう。そうすると、実践的に握りこぶしを作る機会がないので、握りこぶしを作るという習性が損なわれていく。
人間、どうしても普段使わない部位は、優先的に動かさない習慣ができあがると思うのです。
2さらには、キーボードの多用です。
タイピング中に、握力を高めていては、指がガチガチになって、キーを叩くことさえうまくいかないでしょう。
つまり、キーボード使用中の手は、握りこぶしの時とは、真逆の緊張状態にある。

ピンとこない方は、一昔前の文明の利器、「ペン」と比べてみるといいでしょう。ペンを握るときの手は、握りこぶしに若干近い形になってます。
文字通り、ペンを握るとは言っても、キーボードを握るとは言いませんからね。

手っ取り早い話、試しにギュッ握ってみることです。どう感じるでしょうか?もし、気持ちよければ、体が握りこぶしを求めているということです。つまり、握りこぶしは、今のあなたに向いているようです。
握りこぶしをする時に注意してほしいのは、こぶしとセットで肩や首に力を込めないということです。力を集中させるのはこぶしを作る手先の部分です。
鉄棒にリラックスしてぶら下がっているシーンを想像してみてください。体は脱力してブラーンとなっているけど、握力を抜くと鉄棒から落下してしまいます。だから、落っこちないように握力だけは力が入っているんです。
つまり、この鉄棒のシーンこそ、握力(握りこぶし)に力が集中している状況だといえます。

オマケ:スムーズな感情の処理を究極的に追求する場合、その握りこぶしを作ったまま、人や物を殴りつける。これは完璧です。
「なんと粗暴な!」と物や野次が飛んできそうですが、決して実践を勧めているわけではありません。ただ、その延長線上に何があるのかということを頭の片隅に入れておくのもいいと思うのです。
攻撃する。防御する。生命の宿命的な本能。それは人間とて例外ではありません。




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