貧血トーク②~貧血VS貧血流~
→前回の貧血解説の通りですが、現状の貧血の診断は、血液の成分を調べているのであって、それがどれくらい順調に循環しているかという視点は、ほとんどないように思われます。あまり関心がないのでしょうか。
実は、これまで自分の過去の症状を紹介する際に、貧血という言葉をすごく使いたいと思うことが多々あったのです。顎関節症に絡んだ自分の不定愁訴は、実に貧血の症状と類似していたので、もし、貧血という単語を使えるのであれば、自分の実態がかなり伝えやすいと思ったのです。ただ、現代医学の定義に基づくと確実に「貧血ではない」のです。
そこで誤解を避けるため、貧血という言葉ではなく、
敢えて別の言葉を創りましょう。
「貧血流」
字の通り、血流が貧しいのです。
この「貧血流」の場合は血のクオリティーはほとんど問題になりません。血液が順調に流れていないというのが問題なので、どれだけ真っ赤で高品質な血を流したところで、根本的な解決にはなりません。(少しはマシになるかもしれませんが。)ただ、症状としては、「貧血」とほぼ同じになるでしょう。血液中にヘモグロビンの量が少なくても、血液の流れ方・循環に障害があっても、結果的に酸素が不足するということに変わりないからです。
血が順調に届かない、巡りが悪いという現象は、実は我々は日常的によく知っています。
正座等で長時間座っていると、足先が冷えたり、痺れたりしてきます。すなわち、長時間同じ部位への圧迫が続き、血管、神経が圧縮されて、血行不良や感覚麻痺が起こったのでしょう。
このケースでは足でしたが、そのような局所的な圧迫が「頭部」や「頭に直接リンクする首」に起こったらどうなるでしょうか。頭部が痺れてくるかもしれません。もちろん血行が悪くなるわけですから、これは足と同じです。でも、足の時のような軽い問題で済むでしょうか。頭部には脳が納まっています。「血液」=「酸素と糖」=「脳を機能させる成分」が不足することになるので、この時、脳はまともに働くでしょうか。正常時と変わらない思考ができるでしょうか。
かつて自分が体験していた症状、それは往々にして、頭部に痺れを感じた後に、ふらつき、視界が暗くなり、意識は薄れ、思考や体の動きがままならなくなる現象、そして、化粧室に逃げ込んだ際に、必ず鏡に映っていたのが、異常なまでに青白い顔面の血色。これは、発生のメカニズムはどうであれ、頭部での血流、脳へのエネルギー代謝がまともな状態にない。そうとしか、解釈のしようがなかったのです。
そして、その時点での、私の血液を採取してわかることは、ヘモグロビンが十分に含まれた健全な血液である(=貧血ではない)という事実。総合判定も異常なし。晴れて健康人としてのお墨付きをもらえるわけです。
数日前の朝、意識を保つのに必死で気力を振り絞っていたような…いやいや検査で血は足りてるんだし、きっとあれは気のせい!?なんだろう。
…って、んなわけあるかーい!
と性格的に突っ込める人はまだよしとして、非常に心配なのが
「そうか、わかった。気のせいなんだ。」と真摯に納得してしまう方々です。
そうした方々は、納得したところで、症状の変化は起こるはずもないので、世間的に健康体でありつつも、不可解な体調不良に悩み続けなければなりません。そして、その苦しみはいつまで続くのか?まったくの見通しもたちません。
残るのは、絶望、無力感、焦燥感。他者へ相談しても、「診察大丈夫だったんでしょ?」と言われると、何も返す言葉はないのです。そうして、孤独感も増大していきます。
やがて、その人が自ら死を選んだとして、自殺者数の統計にまた一つ記録が加えられることになります。そして、記録上の原因は「うつ」。分類上はこのような処理がなされます。
これが紛れもない現状です。
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