怒りに耐え、やがて体を襲うダメージ
怒りを抑圧しすぎると、顔、頭部、顎の歪みにつながるかもしれない…。
前回は「愛想笑い」とその顎関節症へのリスクを話題にしましたが、今回は「怒りの抑圧」です。
怒りと笑いじゃ、正反対のようにも見えますが、怒りの「抑圧」ってところがポイントです。どちらも感情に反した表情という点で全く同じなのです。
ある時、あなたが怒りの感情を抱いたとします。でも、「この場で、不快な表情はできない!」
こんなシーンで、何気なく無表情で通すことができたあなた。いったいどのような脳や筋肉の攻防が起きていたのか…
まず、あなたの顔の左半分(感情をつかさどる右脳の支配下)には大なり小なり怒り、いら立ちの表情が出ているはずです。
それに対して、理性の影響を強く受ける顔の右側は、(もし左脳が望めば)全然怒ってないよという平然とした表情を作り出すことが可能なのです。
作り出すことが「可能」といっても、一度抱いた感情を理屈(左脳)で強引に押さえ込むので、無理やり「平然」とした表情を作っていることに変わりはありません。
ともかく、怒りや不満の感情を抱いているとしても、主に顔右半分の頑張りのおかげで、表向き、平然とした表情を作り出すことができるのです。
そして、この時は、顔の左右の表情に通常時より大きなアンバランスが生じます。言い換えると、左右の顔の筋肉が不釣合いな動きをします。
ムカッとして普通に怒るケース
人がモロに怒って、そういった表情をする時は、顔全体が大きく前のめりになるような動きをすると思います。目、鼻、口といったパーツを含め顔全体が前方中央に集約されるように動きます。
ムカッとして、素直に感情のまま怒ってしまえば、顔の左右ともに同じ動きをして、正真正銘、カンカンに怒った表情が出来上がります。
ムカッとしても無表情で通すケース
では、怒りやイラつきを押さえ込み、平然とした表情を作ろうとすると顔の左右はどう動くか?素直に怒ったときのように、均等には動きません。(これにより、心情を周囲に対して隠すことが可能になるのですが…)
まず、感情をごまかすことが苦手な顔左半分が、大なり小なり怒りの表情へ(前のめりに)動いてしまうでしょう。そして、怒りの表情を出したくないもう一人のあなた(左脳)は、がんばって顔の右半分を後方に引こうとします。
感情のまま前方へ動こうとする顔左半分と、理性により必死に後方へ引っ張られる顔の右半分。この状況が長時間に渡り、慢性化してしまうと、顔、頭部、顎といった部位に歪みをもたらす結果になるのではないかと考えています。あるいは、せっかく進みつつある顎関節症の回復を阻害する要因になるかもしれません。
とはいえ、ここまで起こるということは、余程、無理を続けたということだと思います。ちょっと感情と違う顔をしたからといって、すぐに体に問題が出ていては、おちおちコミュニケーションもとれません。
周囲への自分自身の表現の微妙な食い違い、いつしか覚えてしまった感情を抑圧する習慣、こういった要素が長い年月で積み重なって、ついには、身体にまで影響を及ぼすことになるのだろうと感じています。
自分がなぜ脊柱側湾症になったのか、ようやく謎が解けました。感謝してます。
返信削除>kkさん
返信削除��? 原因がわかるのは、良いことです。自分の体とうまく付き合いやすくなると思います。