舌はスムーズに出せますか？（パート３）

　

　これまでの私の経験として、舌をストレッチさせることで、顎関節の動きを補助できるケースがあるようです。（ただ、これだけで魔法のように万事解決するというより、方法の１つと考えてもらえればと思います。）
舌の筋と下顎を動かす筋の構造上の関連はこちらを参照。

簡単にできるので、試しにやってみるのもいいでしょう。チェックポイントは舌を口から出してみて、どちらかのサイド、あるいは両サイドにひっかかるような感覚があるか？ということです。（全く違和感がない場合、ひとまず舌とは関係がないかもしれません。）

そして、例えば右側の舌の根元に引っかかる感覚がある場合、左斜め前方に舌を伸ばすようにストレッチさせます。
コツは舌を長く出そうとするよりも、根元を引っ張りだすようにすることです。突っ張り感がある舌の根元に意識を集中させてください。
根の部分を少しでも動かす（伸ばす）ようにするのです。もし、顎関節の圧迫が抜けるような感覚が得られたら、そのストレッチは効果が出ています。その調子で続けてください。
逆に、顎関節・頭部の圧迫感や不快感が増すような感覚が出るならば、無理やり続けずに中断してください。

一点、そのストレッチと並行してやってほしいことがあって、
耳の裏側付近からの後頭部全体を手で押さえておいてください。不必要に頭が動くのを防ぐためです。あるいは、単に押さえるだけでなく、頭部へ緩やかに上方向への力を加えるのもよいでしょう。
舌の右側をストレッチしたい→左手で右側の後頭部を押さえておく。
舌の左側をストレッチしたい→右手で左側の後頭部を押さえておく。

顎関節症の方は、頭全体が一枚岩のように硬直している可能性があるので、舌のストレッチの力が加わって、動く必要のない部分まで、お付き合いして動いてしまうリスクがあるからです。
これでは、せっかくのストレッチの効果を有効に発揮できません。

これ以外の方法としては、まず、舌を上下左右にストレッチさせたり、ぐるぐる回転させたりして、顎関節の圧迫、動きが楽になるポイントがないか探ります。
そして、「あ、この方向が良いな」と実感できる方向があれば、その方向へ舌のストレッチを意識的に繰り返します。

どんなストレッチを試す場合でも共通していることですが、あなた自身が顎関節周辺が気持ち良いと感じられたら、それはあなたにとっての大正解です。
自分の感覚（理性というより感性）を一番に優先させてあげることが大事になってきます。